スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. Permlink|
  3. スポンサー広告|
  4. トラックバック(-)|
  5. コメント(-)|
  6. このエントリーを含むはてなブックマーク

人間は恋と革命のために生まれてきた 『さよならピアノソナタ』

「最後から二番目の革命家だよ。政争で僚友ヨシフ・スターリンに敗れ、メキシコに逃れ、世界革命の萌芽も見出せずに死んだ。でも、彼の不運は隣にスターリンがいたことじゃない」
 先輩は呆然とするぼくの手からベースを抜き取ってアンプにつないだ。
「彼の不運は、隣にポール・マッカートニーがいなかったことだ。最後の革命家には――ジョン・レノンには、ポールがいた。幸運なことにね」


さよならピアノソナタ (電撃文庫 す 9-6)さよならピアノソナタ (電撃文庫 す 9-6)
(2007/11)
杉井 光

商品詳細を見る

こんにちは!好きな革命家は北一輝です(挨拶)。
というわけで件の杉井光の小説。デビュー作『火目の巫女』を途中で飽きて売っぱらったので(ひでぇ)、実質これが初見です。『神様のメモ帳』とか、カラーが出てくるにつれてだんだん僕の趣味に合ってきた。

この話は天才ピアニスト少女と音楽評論家の息子の物語。ピアノを弾くことをやめた彼女が少年の前に現れたとき、なぜか彼女は超絶技巧でエレキギターを弾いていた…。

とても綺麗な話です。クラシック音楽、ハーフの天才少女、気持ちをぶつけ合うセッション、夜の線路、不法投棄のゴミ捨て場でのコンサート――と、詩的で絵になりそうな場面が頻出。僕もだけど杉井光はなかなかロマンチストですね。
ただ、全体的に雰囲気はよいのですが、いま一歩という印象が残ります...。例えば、中盤の主人公とヒロインのセッションシーンの盛り上がりはなかなかのものですが、反面それ以降が坦々としていて終盤も盛り上がりに欠ける。ヒロインの真冬はツンデレだけど、それにしても前後半で性格がブレている気がする。厳密に言うとプロローグで軽くデレ化してるんですが、その後再会してからのツンっぷりが軽く理不尽です。で終盤にかけては影を潜めたようにフツーの女の子になってる…ちょっと読んでて同一人物として同定しにくかったです。あと一番アレなのが、この話たぶん続編が出ると思うんですが、もう最大のヤマは片付いてるということ。主人公と真冬の間の問題はケリがついたし、最大の魅せ場だと思われるセッションは使っちゃった。その意味では一巻でキレイに完結してるんですが、それにしてはサブキャラの幼馴染みと神楽坂先輩がいらない子状態…たぶんこの4人でバンド結成して云々、という展開なんでしょうが、ちょっと最終的な目標をどこに設定するか悩ましいですよね。むしろ真冬はそんなことしてないでプロに復帰した方がいいだろうし…w

…まあいちゃもんはつけたけど、主人公のナオが最初は白目で見ていた真冬のことをだんだん気になっていく様子はすごくうまく描けてたし、ちょっとウンチク混じった上品な文体も好みだったので、気分よく読めました。あとで『神様のメモ帳』も読むと思います。


余談。
イラストが植田亮だったんですが、この人やっぱ絵上手いです。見開きカラーページの斜めアングルの真冬の顔と、表紙のピアノの艶の質感が、ちゃんと文章読み込んでる感じでいいです。ただ、モノクロイラストに数点クオリティの低いものがある。普通の状態で植田亮がこういう絵を描くとは思えないので、たぶんスケジュール的に厳しかったんだと思います。
ライトノベルの挿絵にはよくこういう状態のものが散見されますけど、これはイラストレーターが悪いのか編集者が悪いのか。いずれにしろ品質管理がなってませんね(あるいは、質を落としてでも点数を増やしたか)。

余談2。
出てくるクラシックの曲を知らないとイメージが湧かないかも知れない。全部名前は知らなくても聴いたことある曲ばっかりですが…。


神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)
(2007/01/06)
杉井 光

商品詳細を見る
  1. 2008/01/08(火) 07:21:53|
  2. Permlink|
  3. たわ言|
  4. トラックバック:0|
  5. コメント(-)|
  6. このエントリーを含むはてなブックマーク

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://neetwatch.blog103.fc2.com/tb.php/172-663db00d

PROFILE

  職業ニート
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。