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『僕と彼女と彼女の生きる道 (1)』代名詞が多いなw

草剛、橋部敦子コンビの「僕シリーズ」2作目。テレビ放映当時、娘役の凛ちゃん(美山加恋)が人気になった「はい」のアレ。

僕と彼女と彼女の生きる道(1)僕と彼女と彼女の生きる道(1)
(2004/06/25)
石原隆、本間勇輔 他

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銀行員の小柳徹朗(草)は、ある日突然妻に離婚を迫られ、妻は一人娘の凛を置いたまま出ていってしまう。仕事にかまけてろくに家庭を省みなかった徹朗は、慣れない娘との2人暮らしに苛立つが――。

このDVD1巻では、はじめてまともに対峙することになった父と娘の交流が描かれる。まず第1話の時点で、アレは明らかに親子の関係じゃないわ。父は娘を手の掛かる邪魔者としてぞんざいに扱い、娘は父にまで捨てられるんじゃないかと怯える。その関係を象徴的に表すのが、凛の徹朗に対する返事の「はい」だ。いまどきどんな厳格な家庭でも、親にこんな言葉遣いはしないだろう。
この2人の関係が、凛の家庭教師を務める北島ゆら(小雪)の介入によって、じょじょに変化してゆく。ゆらは情緒を大切にする人間であり、役目を越えて凛と交流を深めてゆく一方、徹朗からは疎まれて事ある毎に対立する。母親代わりを気取るゆらは、徹朗にとって迷惑そのものだった。しかし、自分1人では凛の親が務まっていないことに、まだ徹朗は無自覚だった…。

そんな徹朗に、第2話で決定的な変化が訪れる。別れた妻可奈子の「私、凛を愛していない」という告白で、逆に徹朗は親心を呼び覚ましてゆく。邪魔なので義母に凛をあずけようとしていたが、第3話での交流を通して親子の絆を自覚した徹朗は、やはり自分の元で凛を育てていくことを決心する――。

橋部敦子のドラマはいくつか観てるけど、やさしいトーンが特徴だと思う。特に「僕シリーズ」は絵作りでもぼかしやコントラスト調整のフィルタが多用されていて、“きれいな物語”が強く打ち出されている(岩井俊二系というか)。煩雑な現実を純度を高めて抽出した、「ぼくらが生きていくために必要な“きれいな嘘”」を地でゆく作品であり、その意味でトレンディドラマの伝統をしっかり受け継いでいる。

しかし高度に流動化した現代社会においては、あまりにうさんくさい嘘では誰も夢を見られなくなった。したがってこの作品でも、社会的な問題意識は下地にしっかり反映されている。この作品が描いているのは「家族」の多様化で、いわゆる「バラ色の郊外幻想」的な核家族の維持が極めて困難になったことを示唆していると思う。核家族の崩壊には様々な原因があると思うけど、根本的なのは家族の価値観を一にする共同幻想の崩壊=それを担保していた中間集団、会社共同体の崩壊に因るところが大きい。このへんは宮台真司の『まぼろしの郊外』に詳しいのだけど、それによればこうした家族の危機は70年代のドラマ、『岸辺のアルバム』の頃から叫ばれている。

一見「まともな家族」なのに、実際は母親は不倫、姉は堕胎、父親は家族のためと称して仕事に没入し、家族を顧みないという“ウソ家族”ぶりに、予備校生の男の子が苛立つ。まさに、団地家族のバラ色の夢というフィクションが潰えて問題が噴出しつつあったこの時期にこそふさわしい作品である。

予備校生が“ウソ家族”に苛立ったのは、まだ家族に関わるロマンが残っていて、期待はずれな現実に失望したからだ。そんなロマンチックな前提さえもが消えると、家族は「よそ者」が互いに迷惑をかけずに同居するのに似てくる。「よそ者」同士だから互いの価値観は伝わらず、しばりもなくなる。  (宮台真司 『まぼろしの郊外』)


『僕カノ』の場合、最初のきっかけである妻との離婚はこうした70年代から続く文脈のなかにある。つまり「妻なんて家政婦みたいなものだ」という女性側の結婚に対する絶望感であり、これは以前から盛んに議論されている。しかし、それによって露わになった“他人のような父と子”という問題は、すぐれて現代的でこの作品の面白い部分だ。なぜなら世代的に見ると、父徹朗はちょうど『岸辺のアルバム』世代の子供の年齢に当たり、宮台の指摘するように家族が形骸化するのを目の当たりにしてきた世代だからだ。つまり問題の芽は徹朗が育った親の家庭から既にあり、「よそ者」化した家庭で育った徹朗が、娘に他人のように接するのは容易に予想がつく。そしてこのドラマでは、そのことも徹朗とその父義朗の関係によってしっかり描かれている。なかなかしっかりした話だなーと思った。

関連記事:夢見てんじゃねえよ 「まぼろしの郊外」
  1. 2007/10/30(火) 21:43:18|
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